皆さんは、リースバックをご存知でしょうか。
この仕組みは、引っ越すことなく自宅を売却して現金化する仕組みです。
しかし、具体的な仕組みやメリットを知らない方も多いでしょう。
そこで今回は、リースバックに関して詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

□リースバックとは?

リースバックとは、現在住んでいる持ち家を売却して、まとまったお金を手に入れながら賃貸物件として住み続ける方法になります。
住む環境を変えたくない方には最適な手法になります。
また、まとまったお金を手に入れたい方にも人気の契約方法となっています。

リースバックは、ローンの返済が苦しい状況にある方、家を売却して得た資金を事業に用いたい方などの悩みを解決してくれます。

□リースバックのメリットをご紹介!

リースバックは、第三者に不動産を売却し、資金が入手可能です。
引越しせずに、同じ場所に暮らせます。
また、買い戻し特約がついたものは、後日その住宅を買い戻せるものもあります。
そんなリースバックのメリットを7つ解説します。

まず1つ目は、売却後に住み慣れた家に住めることです。
基本的に不動産では、所有権が第三者に渡った際に住宅から退去する必要があります。
しかし、新しい住宅の手配に多額の費用が伴います。

また、子どもの通学を考慮して同じエリア内で賃貸住宅に住む際には注意しましょう。
コミュニティ内で賃貸住宅へ引っ越した理由について詮索されることがあるからです。

リースバックでは、売却後も同じ住宅を借りて住み続けられるでしょう。
それゆえ、引っ越しにかかる大きな出費を低減できます。
また、無用な心配もされないです。

2つ目は、所有するリスクがなくなることです。
不動産を所有していることは様々なリスクが伴います。
それは、災害による建物の倒壊・破損や、住宅ローンを借りている際には金利上昇など、リスク予測は困難です。
不動産を所有しなければ、リスクを抑えられます。

3つ目は、借金せずに資金調達可能なことです。
リースバックを利用した不動産売却は、老後資金の調達にも役立ちます。
しかし、ご高齢の方は長期間住んだ地域から引っ越すことには抵抗があるでしょう。
リースバックをうまく活用すれば、住み慣れた家に住み続けながら老後資金を確保できます。

4つ目は、所有するコストがなくなることです。
不動産を所有する際には、固定資産税や都市計画税など様々な税金がかかります。
また、建物の修繕費、建物の火災保険料などの費用も負担する必要があるでしょう。
リースバックを利用すれば、引き続き賃貸して住み続けた場合、所有しているとかかる費用は新たな所有者が負担するため、不要になります。

5つ目は、現金化するまでに短時間で済むことです。
一般的に仲介で売却する際に現金化するためには、買主を探すことから始まります。
様々な手続きの時間を含めると早くても数ヶ月の期間を要します。

ときには買い手が見つからない場合もありますが、リースバックでは不動産会社などの専門業者が買い取るケースがほとんどです。
それゆえ、現金化までの時間が短時間で済みます。

6つ目は、将来、売却した家を買い戻せる可能性があることです。
リースバックでは、売却時に買い戻し特約が付けられた場合は、一度売却した元の住まいを買い戻せることもあります。
買い戻せる場合は、定められた期間内に契約で定めた金額を支払うことが必要です。

また、買い戻し特約期間中でも賃料を数ヶ月滞納すると、買い戻す権利が消失します。
買い戻しの権利がついている場合は、特に滞りなく毎月の家賃を支払うことが重要です。

7つ目は、ローン返済が不安定な際の打開策になることです。
マイホームなどの住宅を建てる際に、多くの方は住宅ローンを活用します。
ローンは30年から35年といった長期的な返済計画を立てることが多いです。
将来を見据えた際に、または現在でもライフステージの変化次第では返済が不安になることがあるかもしれないです。

以上が、リースバックのメリットでした。
リースバックは様々なメリットがあるため、事前に把握しておき、検討してみてください。

□リースバックの代表的な事例をご紹介!

ここでは、リースバックの代表的な事例を解説します。

*同じ家に住み続けながら月々の支払額を低減したい

リースバックを利用すれば、自宅に住み続けながら月々の支払額を低減できます。
住宅ローンによっては当初固定金利や段階金利など、返済期間の経過に伴って月々の支払い金額が上がるケースもあります。
返済額の増加で毎月の支払いが困難な時に、リースバックで賃貸に切り替えて住宅ローンの返済額より家賃の方が低くなれば、資金繰りが楽になります。

*まとまった資金を入手して住み替えたい

リースバックは新しい住宅に住み替える際にも有効です。
自宅売却時にまとまった資金が手に入り、新居の購入資金に充てられます。
また、住宅ローンが残っている場合にも残債を返済できます。
それゆえ、借り入れを精算できるでしょう。

*住宅ローンの返済が滞り売却を求められているが、同じ住宅に住みたい

住宅ローンの滞りにより金融機関の残債の一括返済が求められることがあります。
その際には、任意売却や競売での返済を選択すると自宅を失うことになります。
しかし、リースバックで自宅を売却してその資金で住宅ローンの完済ができれば、同じ家に住み続けられます。

*まとまった資金を入手して老後資金にしたい

高齢化に伴い、老後資金に不安を感じている方は多いでしょう。
その中で、リースバックを利用すれば、同じ家に住み続けながら自宅の売却でまとまった資金を調達可能です。

□リースバックの手続きの流れとは?

続いて、リースバックの手続きの流れについて解説します。

まず1番目に、売却の相談・問い合わせです。
リースバックサービスを提供している不動産会社に問い合わせましょう。
主に査定依頼フォームや電話経由で申し込むことが多いでしょう。
また、その際に疑問点や不安なことを相談すると良いです。

2番目に、机上査定価格の提示です。
問い合わせ後に電話やメールで「机上査定価格」が提示されます。
不動産会社から提示された騎乗査定価格に納得したら、現地調査を依頼することになります。

3番目に、現地調査です。
現地調査では、不動産会社の担当者が自宅の室内状況を確認します。
その際に、周辺環境も同時に確認するでしょう。

4番目に、買取金額の提示です。
現地調査後に、希望する賃料や期間等の条件、調査結果などをもとに、不動産会社の担当者から買取金額と賃料が提示されることになります。

5番目に、不動産売買契約の締結です。
提示された買取金額や賃料に納得した場合は、不動産売買契約を締結します。
重要事項説明書の内容を確認して、売買契約書にサインをします。
なお、重要事項説明書とは、宅地建物の取引で、宅地建物取引業者が取引当事者に対して契約上重要な事項を説明することになります。

6番目に、残金決済・引き渡しおよび賃貸借契約の締結です。
不動産会社が残代金の支払いを行います。
残代金は、売買代金より受領済みの手付金を引いた金額です。

売主側が入金確認後、物件の引き渡しを行います。
それと並行して、税金や公共料金、管理費等の清算を行います。
また、所有権移転や抵当権抹消の登記手続きもこの際に行われます。

7番目に、賃料の支払い開始です。
リースバック完了後は、毎月賃料の支払いが開始します。
引越し後は、管理費・修繕積立金、住宅ローン、固定資産税などの支払いは発生しません。

以上が、リースバックの手続きの一連の流れになります。
流れを把握しておくと、円滑に手続きできるでしょう。

□リースバックとリースモーゲージの違いとは?

リースバックと似たシステムの1つにリースモーゲージがあります。
これは、今住んでいる家に住み続けながらも、その住居を担保してお金を借りられるシニア層向けの制度となります。

借り入れしている際には、返済する必要がありません。
契約者が死亡したら契約が終了となります。
その際に、担保していた家を売却して一括返済します。

リバースモーゲージの特徴を以下に示します。

・不動産を担保に借り入れるが、返済は死亡後であること
・平均55から65歳以上の年齢制限があること
・毎月の返済は金利分のみ必要となること

以上が、リバースモーゲージの特徴となります。
しかし、長寿によって資金限度額まで使用してしまう「長生きリスク」や不動産価格の下落などの「不動産価格言動リスク」などのデメリットもあるため把握しておきましょう。

リースバックとリースモーゲージの違いを正しく理解しましょう。
次に両者の使い分けについて詳しく解説していきます。

□リースバックとリースモーゲージの使い分けについてご紹介します!

使い分けの目安として、年齢を考えましょう。
リースバックは買い戻しが可能なため、現在お金がなくても将来的に大きな収入の目処が立っていれば買い戻しを視野に入れてリースバックを利用する手もあります。
買い戻しには、資金の用途が自由というところが有利に働きます。
リースバックを事業の運転資金として利用し、事業が軌道に乗ったら買い戻すのも一つの手でしょう。

対して、リバースモーゲージはそもそもある程度高齢でなければ利用できない商品が多いです。
それゆえ、利用目的は年金替わりや老人ホームへの入居費用といった老後生活を豊かにすることが中心となっています。
また、返済は死亡後に一括なため毎月の生活に影響がありません。
これは年金生活者にとって大きな魅力と言えるでしょう。

よって、リバースモーゲージは高齢者向けであると言えるでしょう。

□まとめ

今回は、リースバックに関して詳しく解説しました。
リースバックのメリットを理解して、魅力が伝わったのではないでしょうか。
選択肢の1つとして検討してみてください。
この記事を参考にしていただけたら幸いです。

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