「不動産を相続する際の手続きや方法がわからない」
「不動産相続の際のトラブルを防止する方法を知りたい」
不動産相続を控えている方で、このようにお考えの方は多いでしょう。
初めて不動産相続の手続きを行う方にとっては、分からないことが多いはずです。

そこで今回は、不動産相続の手続きや方法をご紹介します。
また、不動産相続のトラブルを防ぐためのポイントや、いざというときに相談できる窓口についてもご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。

□不動産を相続する手続きについて

親御さんが亡くなられた場合、葬儀や生命保険の請求手続き、携帯電話や公共料金などの解約や名義変更など、さまざまな手続きを進める必要があります。
相続する財産に不動産がある場合は相続の手続きが必要になりますし、相続人が複数いる場合は話し合いのための時間を確保する必要もあります。

このようにやることが多いため、いざ相続に直面したときに慌てないためにも、どのような流れで相続していくのか把握しておいた方が良いです。

以下で、相続が発生したときの手続きのおおまかな流れをご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。

1:相続人や相続財産を確認する
はじめに、誰が遺された財産を相続する権利を持っているのか、どのような財産が遺されているのか等を確認します。
相続がマイナスのものが多い場合は、相続を放棄することも視野に入れておく必要があります。
また、被相続人が遺言書を遺していないかもしっかり確認しておきましょう。
遺言書の有無で相続の進み方は大きく変わります。

2:遺産分割協議を行い遺産の分け方を決める
遺言書がある場合は、遺言書に従って遺産の分割を行います。
しかし、遺言書がない場合や遺言書に記載のない財産がある場合は、相続人で遺産をどう分けるか遺産分割協議で決める必要があります。

相続の内容に関して全員が納得した場合は、遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名・押印をします。
遺産分割協議で話し合いがまとまらない場合や、もめてしまった場合は、遺産分割に関する相談窓口のある法律事務所や弁護士に相談すると良いでしょう。

3:相続財産の名義変更
遺産分割協議の終了後から相続財産の名義変更が可能です。
相続登記はご自身でも進められますが、不安な方や時間がなかなか確保できない方は司法書士などに依頼することをおすすめします。

相続登記の際は複数の書類が必要になり、法務局や市町村役場など複数の機関から取り寄せる必要があるため、早めにそろえておきましょう。
必要書類は以下が挙げられます。

・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
・法定相続人の戸籍謄本
・法定相続人の住民票
・相続する不動産の固定資産税評価証明書
・法定相続人の印鑑証明書
・遺産分割協議書

4:相続税の申告・納付をする
相続財産の総額が基礎控除額を超えた場合は相続税の申告・納付が必要です。
相続税の申告・納付が必要な場合は、申告書の作成を行います。
申告書はご自身でも作成できますが、ミスや漏れがない申告書をつくる必要があるため、税理士に依頼すると安心です。

作成した申告書と必要書類を添えて、被相続人の住所地の税務署に提出します。
必要書類は以下が挙げられます。

・登記事項証明書
・固定資産税の評価証明書
・被相続人と相続人全員の戸籍、除籍謄本
・被相続人と相続人全員の住民票
・被相続人と相続人全員の印鑑証明書
・相続人全員の身分証明書のコピー

□不動産を相続する方法をご紹介!

続いて、不動産を相続する方法をご紹介します。
主な方法は4つあり、遺産や相続人の人数などの状況から適切な方法を選択することが大事です。

1つ目は、現物分割です。
現物分割とは、財産をそのままの形で相続する方法です。
遺産を売却してお金に換えてから相続する場合より手続きが簡単ですが、評価額の異なるものを現物分割する場合、評価額の低い方を相続した人が不満に思う可能性があります。

2つ目は、代償分割です。
代償分割とは、現物で相続財産を取得した相続人が、他の相続人に対して、代償財産を支払う方法です。
たとえば、相続人が2人いて相続する不動産が1つしかない場合、1人が不動産を相続し、もう1人に代償金を支払うことになります。

3つ目は、換価分割です。
換価分割とは、財産を売却して現金化し、そのお金を相続人で分割して相続する方法です。
換価分割は、相続人が不動産の相続を望んでいないケースや、相続税の資金が用意できないケースなどで利用されます。

4つ目は、共有名義です。
相続人が複数の場合は、共有名義で相続するという方法もあります。
共有名義の場合は、各相続人が所有する割合を持分割合として設定し登記します。
ただし、共有名義の土地は活用する際や売却する際に共有名義全員の意思決定が必要となるため注意が必要です。

□不動産相続のトラブルを防ぐためのポイントとは?

不動産相続においてトラブルはつきものです。
なるべくトラブルを避けるためにいくつか気を付けておきたいポイントをご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。

1つ目は、不動産が登記されているかどうかです。
相続した土地や建物が登記されていない未登記物件だったというケースがあります。
未登記物件の場合、不動産を売却する際や何かに活用する際に、スムーズな手続きができなくなります。
相続人全員で遺産分割協議を行って所有権保存登記をし、現在の所有権が誰にあるのかを明確にする必要があります。

2つ目は、不動産が担保に入っていることです。
相続した不動産に抵当権が付いている場合は、遺産の中に借金が含まれている可能性が高いです。
抵当権が付いている不動産を相続すると、その抵当権も引き継がれ、マイナスの財産を背負うことになります。
抵当権を消すためには、借金を完済し、抵当権抹消の手続きを行う必要があります。

3つ目は、遺言があってもその内容通りに相続できないことがあることです。
遺言がある場合は、確かに遺言書に記載されている遺言内容が優先されます。

しかし、これは他の相続人の遺留分が侵害されていないことが前提条件となります。
遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に認められる最低限の遺産取得分のことを指します。
たとえば、一人の相続人に遺産が集中している場合、他の相続人に遺留分を請求されればそれに応じる必要があります。

4つ目は、不動産を共有名義で相続したことです。
不動産を共有名義で相続した場合、代償分割や換価分割より手続きの手間は減りますが、将来不動産を売却したり、人に貸したりする際に、制限が生じます。
不動産の場合、ご自身が相続している持分だけでなく、他の相続人が所有している持分にも影響が及ぶため、しっかり相談して同意を得る必要があります。

不動産を人に貸したい場合は、持分割合の過半数の同意を得る必要があります。
また、不動産を売却したい場合は、共有者全員の同意を得る必要があります。
全員の同意が得られない場合、共有者の1人が自分の共有持分だけを売却してしまうというケースもありえます。
この場合、まったく知らない第三者と共有状態になるというトラブルが発生するため注意しましょう。

また、共有者が亡くなってしまった場合には、共有持分が相続されますので、共有者がさらに増えてしまい、権利関係が複雑になることもあります。
共有者が持分割合で分割できればよいのですが、不動産を分割することは難しく、安易に共有にしてしまったがゆえに発生するトラブルが多くみられます。

□不動産相続について相談できる窓口は?

不動産相続に必要な手続きは、専門性が高く、ある程度の知識が必要となります。
そのため、手続きの際は専門家のサポートを受けるのが一般的です。
また、お金のトラブルや親族間での揉めごとを避けるためにも、不動産相続の際にどの専門家に何を頼むのかを知っておくと安心です。
相談できる主な窓口としては、3つ挙げられます。

1つ目は、弁護士です。
弁護士は法的根拠に基づいて具体的な解決策を導き出せるため、トラブルの解決に大きな期待が持てます。
不動産相続では、相続人同士で意見の食い違いが生じたり、相続人で協議になかなか応じない人がいたりする場合もあります。
こうした際は、弁護士に相談するのが良いでしょう。

相続のトラブルは大きな金額が動くため、その後の親族関係に大きな影響を及ぼす可能性があります。
事態の泥沼化を防ぐためにも法律家の力を借りることが最善策と言えます。

2つ目は、司法書士です。
相続の名義変更(所有権移転登記)をするときは、登記申請の代理権を持つ司法書士に依頼すると良いでしょう。
名義変更は必要な書類の用意や、確認すべきことなど、初心者の方が1人で進めるには難しいことが多くあります。
手続きをスムーズに進めたいときは、不動産相続に強い司法書士に相談しましょう。
また、登記のほかにも、遺言書の確認や相続放棄などの手続きも依頼できます。

3つ目は、税理士です。
相続財産の調査や評価、遺産分割協議書の作成や相続税の申告が必要な場合は、税理士に相談することをおすすめします。
税金の負担を少しでも減らすためには、その道のプロにお願いするのがベストです。
しかし、税理士によって得意分野に違いがあります。
相続について相談をするときは、必ず不動産相続のノウハウや実績がある税理士を選ぶようにしましょう。

□まとめ

本記事では、不動産相続の手続きや方法をご紹介しました。
また、不動産相続のトラブルを防ぐためのポイントや、いざというときに相談できる窓口についてもご紹介しました。
兄弟や親族の方と今後も良い関係でいるためにも、相続でのトラブルはなるべく避けた方が良いでしょう。

本稿が皆さんのお役に立てれば幸いです。
不動産相続に関するご質問やご相談等については、お気軽に当社までお問い合わせください。
また、相続不動産について売却をお考えの方も、ぜひ当社へご相談ください。
お客様のご状況に合わせた売却方法を提案させていただきます。

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