福井・北陸周辺で山を売却したいとお考えの方に向けて、この記事には山の売却方法の完全ロードマップを記します。

山の活用は意外にも限定的で難しく、相続したは良いものの、そのまま持て余してしまっている方は少なくないと思います。
また、売却しようにも住宅やマンションよりも難しいイメージが強いため、なかなか動き出せずに放置したままの方もいらっしゃるでしょう。

しかし、そのままだと、管理費も固定資産税もかかってもったいないですよね。
この完全ロードマップを参考にしながら、着実なステップを踏んで、今お持ちの山を賢く売却してしまいましょう。
ぜひ最後までご覧くださいね。

□山を売却する流れを確認しましょう!

山を売却するには、7つのステップを踏む必要があります。
全体の簡単な流れは以下の通りです。

1 売却したい山の情報を整理する
2 売却に必要な書類を揃える
3 不動産会社に査定を依頼する
4 不動産会社と契約を結ぶ
5 売却方法を決定する
6 買い手を見つけ、売買契約を結ぶ
7 山を売却した翌年には確定申告をする

それぞれ詳しく見ていきましょう。

*1 売却したい山の情報を整理する

この時に収集しておきたい情報は以下の5つです。
・山の所有者
・山の正確な所在地
・山の面積
・隣地との境界
・山に生えている樹木の種類

山の所有者というのは、相続した時に特に注意していただきたい項目です。
相続人が自分だけでない場合があるので、その際は相続人全員の同意が必要になります。
同意がなければ売却はできませんのでご注意ください。

また、隣地との境界についてですが、一般的な土地の取引では、隣地との境界を明らかにし、土地の面積を実際に測ってから売買を行います。
しかし、山の取引では実際に測ることはあまり一般的ではありません。
多くは登記簿に記されている面積に基づいて売買を行います。

実際の山の面積は、登記簿に記されている面積よりも大きいことがほとんどです。
そのため、測量した方が良いのではと思う方もいらっしゃると思いますが、境界を確定させて実際に測量するにはかなりの費用と労力がかかります。
それなのに、土地単価はそこまで高くないのです。
測量をするメリットの方が少ないので、登記簿に基づいた面積で売買をすることをおすすめします。

*2 売却に必要な書類を揃える

不動産会社に査定を依頼する前に、売却に必要な書類を揃えましょう。
具体的には5つ必要になります。

1つ目は、固定資産税の課税明細書です。
四半期に一度通知書が送られてくると思うので、最新の書類を用意しましょう。

2つ目は、森林簿または森林計画図です。
自治体のサイトから確認できます。
山の状態や面積、所有者、樹木の種類、林齢、保安林の種類など、山に関する情報がまとめられています。

3つ目は、地盤図です。
地盤の情報が入っていて、売却する際に提出する必要があります。
地質調査総合センターで確認できるので、準備しておきましょう。

4つ目は、登記事項証明書です。
登記所の窓口か、オンラインで入手します。
土地の地番や面積、用途が記載されています。

5つ目は、公図または地積測量図です。
こちらも登記所の窓口か、オンラインで入手可能です。
山の形状がわかる書類ですが、公図の請求には地番が必須なので気をつけてください。

*3 不動産会社に査定を依頼する

査定には書類のみでする方法と、実際に現地に訪れて調査する方法があります。
はじめに書類のみで査定し、次に現地を見て査定することを依頼するのがおすすめです。

*4 不動産会社と契約を結ぶ

不動産会社と契約を結ぶことを、媒介契約といいます。
媒介契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類があり、それぞれに特徴が異なります。
山を売却する際におすすめなのは、専任媒介契約か専属専任媒介契約です。
売却完了までの期間が長くなりがちな山の売却では、売却活動の報告義務や、買い手が見つかる可能性が高まるレインズへの登録義務がある、上記の2つの契約を選択しましょう。

*5 売却方法を決定する

売却方法を決定するとは、山そのものを売るか、山に生えている木材だけを売るかを選択することを指しています。
林業に詳しい方以外にとっては木材だけを売るのは現実的ではないので、ほとんどの方は山そのものを売ります。
もし、木材を売るのであれば、価値の高い木材であることや加工の手段が明確であることなどが求められるので、慎重に検討してくださいね。

*6 買い手を見つけ、売買契約を結ぶ

売却活動の末に買い手を見つけられたら、山の状態を説明したり、価格交渉をしたりします。
双方が納得したら、売買契約を結びましょう。
引き渡しを行う日には、代金の決済をして、所有権移転登記を行います。

*7 山を売却した翌年には確定申告をする

山を売却して利益が出た場合、引き渡しが行われた翌年に確定申告をしましょう。
山を売却することで発生する費用や税金については、次の章で確認します。

□山の売却にも費用や税金がかかる?

山は所有しているだけでも管理費や固定資産税がかかりますが、売却の際にも費用や税金が必要になります。
山の売却で必要な費用というと、書類の交付手数料や不動産会社に支払う仲介手数料が当てはまります。

先ほどの章の2つ目のステップで確認した必要書類は、発行手数料や交付手数料が必要です。
オンラインの申請の方が手数料が少なくて済むということもあるので、事前に確認しておくと良いですね。

不動産会社に支払う仲介手数料の額は、会社によって様々です。
山の売却では仲介手数料の上限が定められていませんが、一般的には宅地での取引の上限と同水準で算出されています。
契約の際は、この上限を確認しておくと安心でしょう。

そして、山の売却に必要な税金というと、山林所得税と譲渡所得税、印紙税の3つです。
それぞれを見ていきましょう。

山林所得税は、山を売却する中で、特定の条件を満たしている場合に課せられる税金です。
課税対象は山に生えている樹木で、山をそのまま売却する場合、木材だけを売却する場合のどちらでも納める義務のある税金です。

ただし、木材を売却して得た利益にこの山林取得税が課税されるのは、山を取得してから5年以上経過している場合に限るので注意しましょう。
5年以内に木材を売却した場合は、事業所得や雑所得に分類されます。

譲渡所得税は、山の売却の中の土地部分に課せられる税金です。
つまり、山をそのまま売却する場合は山林取得税と譲渡所得税の両方がかかります。
この譲渡所得税は、山の所有期間が5年以上か5年未満かで税率が変わってくるので注意しましょう。

印紙税は、売買誓約書にかかる税金です。
印紙税額は契約金額によって異なるので、その額分に合った収入印紙を購入し、契約書に貼付して消印することで納税完了です。
通常は2通分の印紙税が必要ですが、売主側の契約書をコピーで済ませる場合は1通分だけで構いません。
ただしその場合は、印紙を貼付した状態でコピーするように気をつけましょう。

□山を売却する際の注意点はこちら!

1つ目は、売る前に適切な手入れをしておくことです。
山は間伐などの適切な手入れをされている方が、価値が高まります。
山に生えている樹木にどれだけ価値があっても、手入れされていないと高く売れませんので注意してください。

2つ目は、山を売却するには時間がかかることです。
山の売却では、数ヶ月で売れる可能性は低い傾向にあります。
数年かかることも覚悟して、気長に待ちましょう。

3つ目は、金額はあまり高くならないことがほとんどであることです。
山の価格は、宅地の1/10程度とされています。
宅地と比べるとかなり低いですよね。
そのため、思うように高く売れない可能性を考えておくことをおすすめします。

4つ目は、境界確定をする場合は早めにすることです。
隣地の所有者と何度もやりとりする必要があるので、境界確定は非常に時間がかかります。
相続した山であれば、境界確定までに期限があるので気をつけてください。

5つ目は、登記簿に基づいた面積で売買することです。
1つ目の章でも触れましたが、境界確定させるよりも登記簿に基づいた面積で売買する方が、労力も費用もかかりません。
山の単価は低いので、境界確定にかかった費用で赤字になる可能性も考えられます。
時短にもなるので、登記簿に基づいた面積で売買してしまいましょう。

□山の売却価格の相場はどれくらい?

山の価値は、山の種類や生えている樹木、アクセスのしやすさによって決まります。
そのため、相場といっても一概にはいえません。
あくまで参考程度として考えていただければと思います。
ここでは、山の種類によって異なる売却価格の相場を見てみましょう。

山には、4つの種類があります。
1つ目は、都市隣接林地です。
郊外にある林地で、1平方メートルあたりの相場価格は最も高く設定されています。
幅はありますが、およそ1,000円から5,000円です。

2つ目は、農村林地です。
里山のようなものが当てはまり、相場はおよそ300円です。

3つ目は、林業本場林地です。
林業を営むために管理されている林地で、相場はおよそ100円です。

4つ目は、山林奥地林地です。
管理されておらず、奥地にある山なので、林道もありません。
この場合の相場は、およそ100円です。

都市に近いほど相場が高いのは、宅地に転用できる可能性が高いからです。
売却予定の山がどの項目に当てはまるのか確認し、大体の売却価格を考えてみましょう。

□まとめ

今回は、福井・北陸周辺で山を売却したいとお考えの方に向けて、山の売却方法の完全ロードマップを伝授いたしました。

山の売却は宅地よりも確かに難しいですが、しっかりと準備をして臨めば賢く売却することができます。
今回紹介した手順を参考に進めてみてください。

そして、福井・北陸周辺で山を売却することをご検討中の方は、お気軽に当社にご相談ください。

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