「リースバックで家賃が払えない状態になったらどうなるのか」
マイホームのローンが払えなくなった場合の救済処置としてリースバックがあります。
しかし、家賃が払えなくなったら時が心配な方も多いでしょう。

そこで今回はリースバックについて詳しくご紹介します。
ぜひ知識の整理にお役立てください。

□リースバックとは?

まず本題から入る前にリースバックの基礎知識から簡単におさらいしておきましょう。
そもそもリースバックとは、現在住む家を売ってまとまった金額を手に入れてから賃貸として住み続ける方法です。
これは同じ家に住みたい、まとまった金額を手に入れたいという方に人気です。

メリットは3つあります。

1つ目は、まとまったお金が手に入ることです。
物件を売却すれば大きなお金が手に入ります。
持ち家を担保にしてお金を借りるリバースモーゲージとは違い、手に入れた資金の使い道は生活費以外にも教育費や介護費など自由です。

2つ目は、引っ越しの手間が不要であることです。
リースバックでは、持ち家から賃貸に変わるだけで、引っ越しの必要がありません。

3つ目は、支払いの負担が減ることです。
家を所有した際に発生していた住宅ローンや固定資産税といった負担をなくせるものメリットです。
売却代金によりローンの残債も処分でき、所有者ではないため固定資産税を支払う必要がありません。

一方で以下の3つのデメリットも押さえておきましょう。

1つ目は、家賃の負担があることです。
ローンなどの負担がなくなるのはメリットですが、家賃はかかります。
売却価格のみならず、家賃の金額もしっかりと計算しておいてくださいね。

2つ目は、賃貸期間に制限があるケースが多いことです。
契約期間が2年以内と制限がある場合が多い点は注意が必要です。
期間については契約前に確認しておきましょう。

3つ目は、普通の売却価格より安価であることです。
リースバックで物件をスムーズに現金化できるといっても、売却価格は一般的な売買契約と比較すると安くなる傾向にあります。
他の賃貸物件に引っ越す場合の初期費用、引っ越し代、その手間などを比較した上でリースバックの利用を決めると良いでしょう。

この章では、リースバックのメリット・デメリットについて解説しました。
これらの要素を参考にしてリースバックを利用するかどうか検討してみてくださいね。

□リースバックで家賃が払えなくなった場合はどうなる?

ここまででリースバックについて簡単にお話してきました。
リースバックでよくある疑問に「家賃が支払えなくなったら即退去になるのではないか」というものがあります。
しかし、結論から言うと、家賃を滞納したとしてもすぐに強制退去になる訳ではありません。
なぜなら、家賃の支払い忘れや病気によって支払い手続きが難しい場合があるため、一定の猶予期間があるからです。

リースバック利用後に結ぶ賃貸借契約においては、賃貸借家法で契約解除事由が設けられます。
家賃の滞納期間についての契約事由は様々な解釈がありますが、結論として約3か月の家賃滞納が契約解除に値するケースが多いです。
しかし、3か月滞納すれば契約が解除されると決められている訳ではない点を注意しておいてください。
あくまで個別の事由で判断されるため、目安として参考にしてくださいね。

ちなみに、通知が来ても居座った場合は、強制退去となるのが契約解除から3か月後、家賃滞納から半年後になることが多いです。

ここでは、リースバックの利用者が家賃を払えなくなった場合にどうなるのか解説しました。
お客様の知識の整理に役立ちましたら幸いです。

□リースバック物件の賃料はいくら?

前章では、家賃を滞納した場合にどうなるのか解説しましたが、実際にリースバックを利用した際の賃料はどれくらいかかるのでしょうか。
老後の生活のことを考えると、賃料は安いに越したしたことはないですよね。
以下ではリースバック物件の賃料がどのような基準で決められるのかについて解説します。

多くの賃貸物件の賃料は周辺物件の相場を基準にして、その他にも築年数や生活環境、間取りの使いやすさ等を総合的に判断して決められます。
リースバック物件についても同様にこれらの要素を基にして金額が決められます。

ただし、周辺物件の賃料相場はリースバック物件の賃料を決定する上で参考材料でしかありません。
実際には、利用者側にまとまったお金が手に入るなどのメリットがあること、取り扱う物件に古いものが多いことが考慮されます。
そして、周辺の賃料相場に比べて少し上乗せされることが多いようです。

では、戸建てとマンションでも賃料の基準は変わらないのでしょうか。
実は両者には賃料の差があります。
一戸建ての場合は賃貸期間が終わってからその土地の始末が必要です。
一方でマンションだと、賃貸借契約が終わった後そのまま部屋を売りに出せますよね。

このような賃貸終了後の自宅の売却のしやすさによって自宅の売却価格が高くなったり、低くなったりすることがあります。

この章では、リースバックの賃料について解説しました。
リースバックにおける賃料がどのような要素で決まっているのかご理解頂けたでしょう。

□リースバックが向いている人とは?

では、リースバックを利用した方が良い人とはどのような人なのでしょうか。
以下でリースバックの利用をおすすめできる人の特徴を6つ紹介します。
ご自身がいくつ当てはまるか確認してみてくださいね。

1つ目は、現役で働いていることです。
住宅ローンの返済が難しいという方にリースバックはおすすめできません。
定期的な収入がある方にリースバックは向いています。
定期的な収入が見込めるなら家賃を滞納して退去となる確率が低いですし、信用も高くなるためです。

2つ目は、子供の学校など引っ越しが難しい事情があることです。
子育て世代で子供を地元の学校に通わせているご家庭なら、転校は避けたいですよね。
子供の転校が好ましくない状況では、引っ越しを避けるためリースバックを選ぶのも1つの手でしょう。

3つ目は、今後まとまったお金が手に入る可能性があることです。
現在はお金に困っているとしても、今後お金が手に入る、まとまったお金を貯められるといった場合は、リースバックを選ぶと良いでしょう。

4つ目は、事業資金や投資のためにお金が必要であることです。
お金の入用が何であるかもリースバックを利用するか否かの判断に関係します。
なぜなら、リバースモーゲージでは事業資金や投資といった事業性があることに対してお金を使えないためです。
さすがに株やFXで損をしたことで投資資金のためのお金を調達したいというのは考えものでしょう。
しかし、ずっと続けてきた事業の維持のために資金を調達したいというのは十分考えられる話です。

5つ目は、現在持っている家が戸建て住宅ではないことです。
あまり知られていないことですが、リバースモーゲージの大半は戸建て住宅だけを対象にしています。
この背景にはあくまで借金のため、担保価値がある土地の方が安全だという考えもあるでしょう。
その点リースバックで扱う不動産にはそこまで制約がないため、マンションであっても利用できます。

6つ目は、自分の死後に相続問題を起こしたくない場合です。
ご自身が亡くなった後に相続問題が予想されるケースではリースバックは賢明な判断でしょう。
なぜならリースバックは家を売ってしまうため、もし売却代金を残した状態で亡くなったとしても現金なら分けやすいためです。
自分の後の世代のことを考えて良い選択をしたい方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。

ご自身に当てはまる条件はありましたか。
以上の特徴に当てはまる方がいらっしゃったなら、ぜひ一度リースバックの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
きっと将来に向けてお得な選択ができますよ。

□リースバック利用時の注意点について

最後にリースバックを利用する際に気を付けたいことを3つ紹介します。

1つ目は、契約内容を確認することです。
リースバックの契約時には売買契約と賃貸借契約の2つを結びます。
トラブルを未然に防ぐには、各契約書をしっかり見ておき、認識の相違点がないことを確認しておきましょう。

特に「普通借家契約」か「定期借家契約」かどうかの違いはとても大切です。
前者であれば正当な事由がない限り、貸し手は契約の更新を断れません。
しかし、後者であれば一定の期間が経つと退去を求められる可能性があります。
契約を結んだ後にはどうしようもないこともあるので、事前にチェックは念入りに行ってくださいね。

2つ目は、第三者に相談することです。
トラブルを避けるには、第三者に相談をすることも大切です。
特に、不動産などに詳しくない場合、自分だけで契約内容が正しいかをチェックするのは難しいと思います。
そういったケースでは、専門家などに客観的な意見を求めるのも1つの手でしょう。

3つ目は、相続人に伝えることです。
相続トラブルを回避するには相続人にリースバックを利用する旨を伝えておきましょう。
リースバックはその性質上、売ったことが気づかれないケースも多いです。
そのため、後から相続人とトラブルになる可能性もあります。

以上のように、リースバックはメリットも数多くありますが、注意点も抑える必要がある選択肢です。
ぜひこの章でご紹介した点には注意しておいてくださいね。

□まとめ

今回は、リースバックについて詳しくご紹介しました。
なにか参考になることがありましたら幸いです。
リースバックは手元にまとまったお金が手に入り、同じ場所に住み続けられるというメリットがあります。
しかし、同時にメリットや注意点も多いので、利用するか検討する際にはしっかりとこれらの要素も考慮しましょう。
福井・北陸北陸周辺で不動産を売却したいという方はぜひ当社までお気軽にご相談ください。

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