売買を含めた契約にはさまざまな必要書類があり、不動産においても多くの書類が必要になります。
不動産売買であればどんな取引でも必要な書類のほか、売買する物件がマンションの場合、一戸建て住宅の場合、または土地だけを売買する場合、それぞれにおいて必要な書類は異なります。

それに加え、その物件ならではの書類や不動産に求められた書類、もし既に買い手がいるのなら買い手に求められた書類も必要になるため、最終的に用意しなければならない書類自体は取引によって毎回違うといってもいいでしょう。

□不動産買取のときの必要書類一覧

まずは必ず求められる書類についてご説明します。

1.登記識別情報

登記後に法務局から交付される、不動産の利権関係について明らかにする書類です。
ネットで調べると登記済権利証とも記載されていることが多い書類で、利権関係について分かる書類のため権利書と呼ばれることも多い書類です。
紛失すると再発行できず、手続きにより多くの時間、費用が必要となるため気を付けなければなりません。

2.固定資産税納付通知書

不動産にかかる固定資産税を通知する書類です。
毎年4月から6月ごろに市区町村から送付されるものですから毎年発行されます。

もし紛失した場合は市区町村の役場で固定資産税評価証明書を発行してもらってください。
数百円ほど再発行費用が必要になりますが、固定資産税納付通知書は固定資産税評価証明書で代用できます。

3.マンションの場合は管理規約も必要

マンションを買い取ってもらう場合は管理規約も必要となります。

マンションを購入すると同時に受け取っていることが多いので、どこにあるかわからなければ押入れの奥にしまいこんでいる可能性もあるでしょう。

紛失した場合は管理会社か大家さんに問い合わせてください。
必要があれば再発行してもらえますが、手数料を求められる場合もあります。

4.建築確認済証

建物が建築基準法に基づいて建てられていることが証明できる書類です。

こちらも登記識別情報と同じく紛失した場合の再発行は難しい書類ですが、建築確認済証の場合、代替できる書類があります。
市区町村の役場まで行き、台帳記載事項証明書を発行してもらってください。

発行の費用に数百円かかりますが、それで建築確認済証の代用ができますので問題はありません。

□土地を売却するときの必要書類

不動産売却においては必ず求められる書類について説明してきましたが、不動産の何を売却するかによって更に必要となる書類が変わってきます。

まずは土地を売却する場合の必要書類について説明します。

*土地の売却に必要な書類

土地を売却するには、土地確認図面と境界確認書が必要です。

所持している面積と隣地との境界を明確に確認できる書類で、専門家に依頼し、測量を行って発行されます。
不動産売却のために新しく測量する必要はなく、なんらかの理由によって既に測量していた場合、既にある書類がそのまま使用できます。

紛失したとしても、再度依頼することで何度でも用意できるでしょう。

*なんのために必要な書類なのか

測量を行わずに土地を売却した場合に起こりうるトラブルを防止するためです。

隣の土地との境界線を明らかにすることで隣の土地の所有者とお互いに合意を取れるので、売却後のトラブルも避けられます。
測量は業者や土地の広さ、土地の形などによって変わりますが、場合によっては30万円から40万円ほどかかるケースもあります。

□マンションを売却するときの必要書類

続いて、マンションを売却する場合の必要書類について見ていきましょう。

1.身分証明書

特定の書類を示すわけではなく、様々なら書類に記載される所有者が自分であることを証明するために提示するものです。

運転免許証やマイナンバーカードをはじめ、パスポートなど、いくつも思い浮かぶでしょう。
また健康保険証をはじめとして顔写真のない身分証明書もあります。

2.印鑑登録証明書と実印

実印登録をした実印と、その証明のための印鑑登録証明書も必要です。

実印自体にはシャチハタでないこと、直径が8センチ以上25センチ以下のサイズであることといった決まりがいくつかありますが、実印として使うためにはそれだけでなく実印登録をしなければなりません。

市区町村の役所で印鑑登録をすることで印鑑が実印として認められると同時に印鑑登録カードがもらえます。
印鑑登録証明書はこの印鑑登録カードを持って法務局まで行き、おおよそ5分程度で印鑑登録証明書は発行されます。

印鑑登録証明書に有効期限は定められていないものの、不動産売買をはじめとした取引においては発行してから3ヶ月以内の書類を用意した方が良いでしょう。
既に印鑑登録をしてあれば印鑑登録証明書自体は役所以外にマイナンバーカードを利用すればコンビニでも入手できます。

3.口座の情報が分かる通帳かキャッシュカード

不動産のように大きな金額を動かすとき、現金でやり取りをするのは珍しいものです。

売却代金を受けるための振込先情報として、通帳やキャッシュカードが必要です。
基本的にはどの銀行でも良いですが不動産会社によっては制限される場合もあるので、事前に不動産会社へ確認しておいた方が良いでしょう。

4.マンションの情報が記載された書類

先ほど述べた管理規約をはじめ、長期修繕計画や総会議事録などマンションについての書類は求められるでしょう。
購入希望者が求める暮らしがそのマンションにあるかどうかを判断できる重要な書類ですから、契約時までに必ず準備しておきましょう。

5.管理に関わる重要事項調査報告書

これもマンションの情報が記載された書類にはなりますが、もっと細かな情報が記載されています。
これは駐車場や駐輪場、バイク置場などの数や使用料、空き状況、管理組合の収支や財産状況はどうなっているか、楽器やペット飼育は可能かどうか、など生活に関わる情報がわかります。

□一戸建て住宅を売却するときの必要書類

1.公図や建物の詳細がわかる書類

一戸建て住宅の売却につきものの査定に必要な書類です。

公図は法務局で申請することで入手できます。

建物の詳細については特定の書式があるわけではありませんが、設計図書や間取り図がわかるような書類について何があるか探しましょう。
一戸建てを建てたときや購入したときに工務店や不動産会社などが作成したものがあるはずです。

詳細書類については紛失した場合でも、工務店や不動産会社に情報が残っている可能性もありますから確認してみてください。

もし連絡が難しい場合や確実に入手したい場合は、住宅を管轄している法務局の窓口でも入手できます。

2.住宅ローンの残高が分かる書類

必須なものとして不動産会社から挙げられるかは分かりませんが、もし住宅ローンが残っている場合、その残高が住宅を販売したい最低価格になります。

また、場合によっては住宅ローンごと引き取ってくれる買い手を探すことになるかもしれませんから、まだ住宅ローンが残っているのであれば残高の分かる書類はあった方が無難です。

3.印紙

不動産の売買契約書は課税文書になるため、印紙を貼り付けて印紙税を納めなければなりません。

契約書の売買価格によって、すなわち不動産の売却価格によって印紙税も変わるため気を付けてください。
不動産売買でよく使われる印紙税とその売買価格は、売買価格が500万円以上1000万円以下で5000円、売買価格が1000万円以上5000万円以下で10000円になっています。

印紙は市区町村の役所をはじめ、法務局や郵便局などで手に入ります。

4.確定申告に必要な書類

厳密には売却後に必要な書類ですが、不動産売却は大きな金額が動くため確定申告が必要になるケースがあります。
確定申告書や譲渡所得の内訳書は税務署で取得するか国税庁のホームページからダウンロードし、記載してください。

そのほか売買契約書及び領収書、不動産仲介手数料の領収書、測量費と登記費用その他売却の時の費用の領収書、以上3つの領収書のコピーも必要です。
売却後の土地、建物の全部事項証明書類も必要ですが、この書類は場合によってはコピーでも可能なので確認すると良いでしょう。

□必須ではないもののあると便利な書類3選

1.住宅が新築だった時のパンフレットや契約書など

不動産会社に住宅を売却した後、住宅はまた販売されます。
販売のためには広告を作成することが多いため、新築だった時の広告であるパンフレットがあればその住宅の売りが分かりやすく伝わるはずです。

パンフレットを持ち込むことで住宅についての理解が深まるだけでなく、中古住宅の販売目的に新しく作る広告もより分かりやすく、作りやすくなるでしょう。

契約書についても、新築だった時の契約内容が分かることで中古住宅としての契約時に役立つでしょう。

2.マンションの管理費など維持費のわかる書類

マンションには管理費や町会費など、維持するためにかかる費用がいくつもあります。

購入したあと、実際にマンションで生活するにあたって具体的な維持費のわかる書類もある限り用意しておきましょう。
長年支払いの必要になる維持費について予め明確になっていることで、購入希望者にとっては具体的な生活をイメージしやすくなり後々のトラブルも減っていくことでしょう。

3.銀行口座についての情報

先ほども述べましたが、振り込み情報は必要になることが多いはず。

銀行口座がわかる書類として通帳やキャッシュカードは手元にあります。

不動産会社に何も言われなかったとしても、コピーを取ったりほかの書類とともに持参したり、用意しておいた方が良いでしょう。

□まとめ

不動産取引のために必要な書類には不動産取引でしか使わないような書類から取引で頻繁に求められる書類までさまざまあります。
最終的に必要とされる書類すべてがここで述べきれたとは断言できませんしこのすべてが必ず必要とも断言できませんが、基本的に必要とされるであろう書類の参考にはなるでしょう。

確実に必要書類を知りたい場合は一度当社までご相談ください。

事例 当社の売却実績はこちら